ご依頼者様の状況(場所・課題・依頼の目的)
福岡県内にお住まいのご依頼者様。お父様が亡くなられたため、相続手続きを進めていたところ、遺産である不動産がお父様名義ではなく、さらに前の代であるお祖父様名義のままになっていることが判明しました。
お祖父様名義の不動産を相続するためには、お父様のご兄弟(ご依頼者様にとってはおじ・おば)や、すでに亡くなっているご兄弟がいればそのお子様(甥・姪)なども含めた、より多くの相続人で遺産分割協議を行う必要があります。
相続人の数が多く、中には疎遠になっている方も含まれる可能性があり、ご自身だけで連絡を取り、話し合いをまとめ、名義変更手続きまで完了させることは困難であるとのご判断から、一連の相続手続きと遺産分割協議のサポートをご依頼いただきました。
当事務所の対応と解決(成果)
- 相続人の確定: まず、お祖父様の相続関係を正確に把握するため、お祖父様の出生から死亡までの戸籍謄本等、関連する戸籍を全て収集しました。これには膨大な時間と労力を要しましたが、最終的に相続人はお父様のご兄弟、甥、姪にあたる方々を含め、合計8名であることを特定しました。
- 意向確認: 特定した相続人全員に対し、お手紙を送付し、対象不動産の相続に関するご意向を確認するためのアンケートを実施しました。
- 相続分の譲渡: アンケートの結果、一部の相続人の方は、当該不動産の相続を希望されませんでした。そこで、これらの相続人の方々には事情を説明し、ご依頼者様へ相続分を譲渡していただく形でご協力をお願いしました。相続分譲渡契約書を作成し、ご署名・ご捺印をいただくことで、手続きを進めました。
- 代償分割による協議成立: 不動産の相続(またはそれに代わるもの)を希望された他の相続人の方々とは、協議を行いました。不動産をご依頼者様が相続する代わりに、他の相続人の方には法定相続分に基づいた代償金をお支払いするという代償分割案を提示し、ご理解とご了承をいただきました。
- 遺産分割協議書の作成と登記: 全相続人の合意に基づき、遺産分割協議書を作成し、全員にご署名・ご捺印をいただきました。その後、法務局にて不動産の名義変更(相続登記)手続きを行い、同時進行で、合意に基づき各相続人の指定口座へ代償金のお支払いも実行しました。
結果
相続人が多数にわたり、複雑化していた祖父名義不動産の相続手続きでしたが、戸籍収集による相続人の確定から、各相続人の意向確認、交渉、必要書類の作成、登記申請、代償金の支払いまで、全ての手続きを当事務所がサポートすることで、無事に遺産分割を成立させ、不動産の名義をご依頼者様(またはご希望の相続人)へ変更することができました。ご依頼者様のご負担を最小限に抑え、円満な解決を実現しました。