【遠方の実家の相続】手続きは可能? 不動産・預貯金・売却のポイント解説

遠方に飛行機で飛ぶ人

遠方に住むご両親が亡くなられた…深い悲しみの中、考えなければならないのが相続手続きです。ただでさえ大変な手続きなのに、実家が遠いとなると「どう進めればいいの?」「わざわざ帰省しないといけないの?」と不安になりますよね。

【結論】遠方にお住まいでも、相続手続きを進めることは可能です!

ただし、手続きによっては工夫が必要だったり、時間や手間がかかったりする場合があります。

この記事を読めば、

  • 遠方の実家の相続手続き特有の難しさ
  • 不動産や預貯金の相続手続きをスムーズに進める方法
  • 相続した不動産を売却する場合の注意点

がわかります。

遠方での相続手続きに関する不安を解消し、落ち着いて手続きを進めるための一助となれば幸いです。

遠方に住んでいると、相続手続きはなぜ難しい?

相続手続きには、戸籍謄本の収集、遺産分割協議、各財産の名義変更など、多くのステップがあります。実家が遠方にある場合、以下のような難しさが出てきます。

  • 物理的な距離: 書類のやり取りや、現地でしかできない手続き(例:一部金融機関での手続き、不動産の状況確認など)のために、時間と交通費がかかる。
  • コミュニケーション: 他の相続人も遠方に住んでいる場合、遺産分割協議などを進めるのに時間がかかることがある。
  • 情報収集: 実家のある地域の役所や金融機関、不動産に関する情報を集めにくい。

しかし、心配しすぎる必要はありません。多くの手続きは、郵送や専門家のサポートを活用することで、遠方にいながらでも進めることができます。

【不動産】相続登記は近くの司法書士に依頼できる?

ご実家が持ち家だった場合、相続による不動産の名義変更(相続登記)が必要です。これは法務局への申請が必要ですが、必ずしも実家の近くの司法書士に依頼する必要はありません。

現在、不動産登記の手続きはオンライン化が進んでおり、全国どこの不動産でも、お近くの司法書士に依頼して手続きを進めることが可能です。

手続きの流れ(一般的な例):

  1. お近くの司法書士に相談・依頼する。
  2. 必要書類(戸籍謄本、住民票、遺産分割協議書、固定資産評価証明書など)を収集し、司法書士に郵送または持参する。
  3. 司法書士が書類を作成し、オンラインまたは郵送で法務局に登記申請を行う。
  4. 登記が完了したら、司法書士から登記識別情報通知書(権利証に代わるもの)などを受け取る。

お近くの司法書士に依頼するメリットは、直接会って相談しやすく、コミュニケーションが取りやすい点です。ただし、不動産の状況によっては、現地の調査が必要になる場合など、現地の司法書士との連携が必要になる可能性もゼロではありません。まずは、お近くの司法書士に相談してみましょう。

【預貯金】地方銀行・信金・信組・JAバンクの手続きは?

亡くなったご両親が、地方銀行、信用金庫、信用組合、JAバンクなどに預貯金口座を持っていた場合、その解約・払い戻し手続きも必要です。

これらの金融機関での相続手続きは、原則として郵送でのやり取りが可能です。

手続きの流れ(一般的な例):

  1. 金融機関に連絡し、相続が発生した旨を伝え、必要な書類(相続手続依頼書など)を取り寄せる。
  2. 必要書類(戸籍謄本一式、遺産分割協議書または金融機関所定の同意書、相続人の印鑑証明書・実印など)を準備する。
  3. 書類に記入・捺印し、金融機関に郵送する。
  4. 金融機関での確認後、指定した口座に払い戻しが行われる。

注意点:

  • 時間と手間がかかる: 必要書類が多く、金融機関との間で何度か書類のやり取りが必要になる場合があります。
  • 金融機関ごとの違い: 手続き方法や必要書類は、金融機関ごとに異なります。必ず事前に電話などで確認しましょう。
  • 郵送対応不可の場合も: ごく一部の金融機関や、特殊なケース(口座の状況などによる)では、代表相続人の来店を求められたり、郵送での手続きを受け付けていなかったりする場合があります。この点も、事前の確認が重要です。

メガバンクなどに比べて、地方の金融機関の手続きは煩雑になる傾向がありますが、根気強く進めましょう。

【不動産売却】相続した実家を売る場合は?

相続したものの、誰も住む予定がない実家。「売却したい」と考える方も多いでしょう。

相続した不動産を売却する場合は、その不動産がある地域の不動産仲介業者に依頼するのが一般的です。

理由は以下の通りです。

  • 地域情報への精通: その地域の相場、需要、販売戦略に詳しい。
  • 現地での対応: 物件の査定、購入希望者の内覧対応、契約手続きなど、現地での対応が必要になるため。

「遠くに住んでいるのに、どうやって依頼ややり取りをするの?」と不安になるかもしれませんが、多くの不動産業者は、電話、メール、オンライン面談などを活用して、遠方に住む売主とのやり取りに対応しています。

売却の流れ(一般的な例):

  1. 物件所在地の不動産業者を複数探し、査定を依頼する。
  2. 査定結果や担当者の対応などを比較し、媒介契約を結ぶ業者を決める。
  3. 不動産業者が販売活動を行う(広告掲載、内覧対応など)。
  4. 購入希望者が見つかったら、条件交渉、売買契約の締結(司法書士が関与することが多い)、決済・引き渡しを行う。

売却活動中の報告や相談も、電話やメールで受けることができます。信頼できる不動産業者を見つけることが、スムーズな売却への鍵となります。

まとめ:遠方でも諦めずに、専門家と連携しよう

遠方に住むご両親の相続手続きは、確かに乗り越えるべきハードルがあります。しかし、

  • 不動産登記: お近くの司法書士に依頼可能
  • 預貯金: 郵送での手続きが基本(時間と手間は覚悟、事前確認は必須)
  • 不動産売却: 現地の不動産業者に依頼

というポイントを押さえれば、遠方にいながらでも手続きを進めることができます。
当社は、福岡にありますが、遠方におられる相続人の方に帰省の負担をできる限りかけずに手続きを行えるようサポートしています。

一人で抱え込まず、当社を含め専門家に相談しましょう。費用はかかりますが、時間的・精神的な負担を大きく軽減できます。

相続手続きは、時間も労力もかかる大変な作業です。特に遠方にお住まいの場合、早めに情報収集を開始し、計画的に進めることが大切です。この記事が、その一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

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